豆知識

  • 散骨の歴史

    散骨のルーツは、仏教が生まれたインドに存在すると言われ、インドのガンジス川流域で散骨が行われるようになり、アジアに散骨の文化が伝わったのち、ヨーロッパやアメリカでも広まることとなりました。

    日本では、平安時代の天皇である淳和天皇が自分の遺骨を散骨するよう指示したことや、当時に作られた万葉集などの作品で散骨について詠まれていたことが有名ですが、平安時代以前の奈良時代から既に散骨は盛んに行われていたことが判明しています。古代においては、散骨によって自然に還りたいという宗教上の理由も強かったようです。

    ただ、江戸時代に作られた檀家制度で散骨がマイナーになっていきました。これはある一族が特定の寺の檀家になることによって、一族の葬式から埋葬に至るまでを同じ寺が独占的に行う制度であり、檀家制度においては一族共通のお墓を作って埋葬する必要があり、檀家制度が広まることでお墓を作ることが一般的となったため、散骨をする人がほとんどいなくなったという背景があります。

    最近になって再び散骨が流行りつつあるきっかけが、散骨に関する法律は制定していないため、散骨をしても違法にならないという見解があったり、散骨が登場する「あなたへ」という映画が人気を集めたことや、著名人が散骨したというエピソードが広まったことがあげられます。

    散骨は昔から行われていた文化で過去の文化が蘇えりつつあり、環境も整備され今は誰もが散骨を選択できるようになりました。歴史も理解いただきながら、散骨という「自然葬」もぜひお考えになってみてください。

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